2005年09月25日

ディーツゲン/哲学の実果・マルキシズム認識論:目次

『頭脳活動の本質』と並ぶヨゼフ・ディーツゲンの主著『哲学の実果』と、改造文庫の一冊としてディーツゲンの他の著作と同時期に訳出されながら、なぜか三浦つとむでさえ取り上げていない『マルキシズム認識論』。レビューは機会があれば付したいが、今はさしあたり目次のみ参考資料として紹介するにとどめる。

■哲学の実果(1887)(山川均訳、改造文庫)
はしがきによると、改造文庫以前にも同じ訳者によって、『無産階級の哲学』と題して刊行されている(『頭脳活動』との合本、1924)。戦後は玄理社より『哲学は何をしたか』(玄理社)と題して刊行されているが(1948)、これも『無産階級の哲学』と同じく『頭脳活動』との合本である(『弁証法・いかに学ぶべきか』参照)。

はしがき(訳者序文)
著者序文
(一)特殊な対象としての認識
(二)認識の力と宇宙とは血族的につながっている
(三)智力はいかなる意味で、有限にして無限であるか?
(四)自然の普遍性について
(五)霊魂の一部分としての認識の力
(六)意識には一般に知る能力と共に、全自然の普遍性についての意識が賦与せられている
(七)心霊と自然との親族関係、または同一
(八)認識は物質的である
(九)論理学の四法則
(十)宗教の領分における認識の機能
(十一)原因結果の範疇は、認識の一手段である
(十二)精神と物質――どちらが第一次的で、どちらが第二次的か?
(十三)明確な認識の可能に対する疑いが克服せられた範囲
(十四)疑わしい認識と明白な認識との区別に関する議論の続き
(十五)結 論


(注)章番号内の「其」は省略した。


■マルキシズム認識論:一社会主義者の認識論の領域への征入(1886)
(石川準十郎訳、改造文庫、1929)
副題の「一社会主義者の――」が本来の書名である。社会主義者としてはマイナーなディーツゲンの著作の中でもさらにマイナーな著作だが、戦前戦後を通じて訳出されたのは改造文庫だけなのだろうか。本書以外の訳出を寡聞にして私は知らない。ちなみに南恁p正氏は、認識論関連の著作の一つとして、『武道と認識の理論III』(三一書房)などで本書を紹介している。

訳者小言
序 言
一 『造られたる精神は自然の内部に透入せず』
二 絶対真理とその諸自然現象
三 唯物論に対する唯物論
四 ダーウィンとヘーゲル
五 認識の光

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ディーツゲン/人間の頭脳活動の本質:目次

三浦つとむの師の一人、ドイツの労働者哲学者ヨゼフ・ディーツゲンの主著の一つ。「この唯物論的弁証法は、……われわれが発見したばかりでなく、そのほかになお、われわれとは独立に、またヘーゲルとさえ独立に」発見した、とエンゲルスが『フォイエルバッハ論』で紹介しているのも本書である(引用は国民文庫版)。これはマルクスやエンゲルスがヘーゲル批判を媒介にして観念論的弁証法から唯物論的弁証法(唯物弁証法)を展開したのに対し、ディーツゲンはカント主義を直接批判するかたちで唯物弁証法を展開したからであり、良くも悪くもそれが本書の最大の特色をなしている。

戦前は『弁証法的唯物観』という題名で改造文庫より出版され(1929、山川均訳)、戦後も岩波文庫(小松摂郎訳、1952)、未来社(社会科学ゼミナール、森田勉訳、1978)などから出版されている(いずれも絶版)。ちなみに季節社版『弁証法・いかに学ぶべきか』(三浦つとむ文庫(1)、1999)のカバーには、中崎章夫訳で近刊が予告されているが(『一肉体労働者の見たる人間の頭脳労働の本質』)、未刊である。

「ディーツゲンの展開している弁証法は、ヘーゲルのそれのような『巨大な建物』ではなく、その骨組ともいうべきものである。しかしそれは正しい基礎の上に、すなわち唯物論の立場においてとりあげられている。またその骨組が素朴に、端的に、具体的な事物を引合いに出して論じられているところに、弁証法を一面的にとりあげて形而上学におちている人たちのこの著作に学ばなければならない理由がある。」
「唯物弁証法の古典として、わたしはこの著作をすべての研究者が一読されるよう希望する。」(「文献いかに読むべきか」、季節社版『弁証法・いかに学ぶべきか』より)


●岩波文庫版目次
・岩波版には『頭脳活動の本質』のほか、「補説の意味で」(訳者のはしがき)「論理学に関する手紙―特に民主主義的・プロレタリア論理学(1880−1883)」と題した一連の手紙が訳出されている。これは息子のオイゲン・ディーツゲンに宛てられたものである。

訳者のはしがき
人間の頭脳活動の本質
 まえがき
 一 序論
 二 純粋理性あるいは一般的思惟能力
 三 事物の本質
 四 自然的科学における理性の実践
  (a)原因と結果
  (b)精神と物質
  (c)力と質量
 五 「実践理性」あるいは道徳
  (a)賢いもの、理性的なもの
  (b)道徳的正
  (c)神聖なもの

論理学に関する手紙
 第一の手紙
 第二の手紙
 第三の手紙
 第四の手紙
 第五の手紙
 第六の手紙
 第七の手紙
 第八の手紙

訳者註
解 説

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2005年09月19日

中秋の名月他

■十五夜にちなんで、テンプレートを「night」に変えてみました(月の形は三日月ですが・・・)。背景が黒系のほうが目にも優しいかと思います。

■ところでこの下書きですが、久々にPowerBook1400で書いています。1400もあれからささやかながらカスタマイズを続け、現在は333MHzのG3カードを搭載した1400/G3となっております。OSは1400としては最終バージョンのOS9.1(注1)、メモリは最大容量の64MB(仮想メモリで256MBにまでアップ)、HDDも20GBに(4200回転・流体軸受)。1400は冷却ファンを持っていないのでHDDの回転さえ止めればかなり静かなのですが、流体軸受のHDDに換装したことで驚くほど静かになり、少し感動しました(言い換えれば、それまで積んでいたHDDがいかに古かったかということですが……)。XPマシンのほうが冷却ファンのせいで少しうるさいくらいです。計ったわけではありませんが、CPU温度も安定していて、熱暴走でのフリーズが起こりにくくなったように思えます。ネットに関しては10BASE−Tのイーサネットしか使えないので(注2)、体感的にはThinkPad560X(200MHz)よりも遅いように思えますが、 IEの描画もそれなりに速くなっているので、一応良しとしています。

■それにしても、やっぱり付属の「ことえり」で入力するのはつらい(==;)……。

(注1)PCI−Macならフリーウェア(9.2.1 EnablerKitなど)で9.2.2までアップすることもできるようですが、NuBusマシンの1400では無理なようです……。
(注2)非カードバスで100BASE−TXをサポートするPCカードがあるようですが、接続がやや不安定なようです。
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2005年09月15日

「語られたことばの魔力」

「世界でもっとも大きな政治的・宗教的雪崩をみちびいた力は、過去においてもそうであったように、未来においても、語られたことばの魔力にほかならないであろう。」

「燃え立つ情熱の暴風が、槌の雷鳴のごとく、ことばとなってほとばしり出てこそ、はじめて人々の胸に食い入ることができる。この情熱が与えられなかった者や、その口が封じられた者は、予言者として天から選ばれることはありえない。」(アドルフ・ヒトラー『我が闘争』)(注)


選挙における小泉自民党圧勝の謎を解くには、やはりヒトラーに当たらねばならないだろう。ところで革新政党の人たちはヒトラーの『我が闘争』について研究しているのだろうか? 三浦つとむによると、ヒトラーの宣伝・煽動の方法はどうも共産主義者のそれから学んだものらしいのである。そして誠に皮肉なことに、「もちろんヒトラー自身は反共産主義者であるが、その反共産主義者がマルクス主義者にもまして、マルクス主義者の活動を理解していたのであった」(『大衆組織の理論』P86、強調は引用者)。理論的な面で小泉にヒトラーほどの能力があるとは思えないが(おそらく飯島秘書官らブレーンの力が大きいと思われる)、「扇動」という点ではヒトラーばりかもしれぬ。

(注)あいにく原典がいま手元にないため、孫引きになってしまうが『大衆組織の理論』P82から引用させていただいた。
posted by liger-one at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月13日

バカの多数決(==)

以下のURLは民主党・中村てつじ氏のサイト内にあるPDFファイルへのリンクである。

その名も、「IQが低い層をターゲットにするラーニングプロモーション」(正式名称「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」)
http://tetsu-chan.com/05-0622yuusei_rijikai2.pdf

最初のカギカッコ内のタイトルは中村氏のページ内に書かれているものだが、もはや何をかいわんやであろう。いまさらながら、ではあるが、小泉が解散総選挙に打って出たのもこの煽動戦略があってこそ、ということだろうか。詳細はファイルを見ていただければお分かりかと思われるが、少し説明を付しておく。

このPDFファイルの2ページ目に、ターゲット=国民(有権者)のIQを縦軸に、構造改革に対する肯定/否定の度合いを横軸にとったマップがあり、そこでは有権者が4つのグループに分類されている。そして一番のターゲットとされているのが、「B層」と呼ばれる主婦や子供、老人のグループである。そこでは他のグループと異なり、「具体的なことは分からないが小泉総理のキャラクターを支持する層/内閣閣僚を支持する層」、というキャプションが付されている。すなわち「IQが低い層」=理論的に分析する能力のない人たち=カモ(==)である。これほど人を虚仮にした話もないと思うのだが、いずれにせよ、このカモ層を狙い撃ちにした煽動の成果が奏功し、「バカの多数決」として見事に選挙に結実したということであろうか。ちなみに「バカの多数決」とは、労働組合などで見られた下部からの批判封じ込めの方法の一つで、民主主義の多数決原理と組織内での幹部の権威、下部の人々の経験や判断力の低さを利用したものであるが、この手の「茶番」はいまだに有効であるということが実証された、ということであろう。小泉が「支持」され続けるわけである・・・(嘆息)。
posted by liger-one at 03:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月11日

衆院選雑感

ここしばらく多忙だっため、久しぶりの投稿である。

テレビの選挙速報を見ていたが、あまりの茶番ぶりに見るのを止めてしまった。まだ確定はしていないものの、自民党単独で300議席は確保しようかという勢いのようである。資本家以外で自民党を選んだ人々、とりわけサラリーマンやOLは、それが今後の自分たちの生活のありかたにどのように関わってくるのか、身をもって知ることになるだろう。

小泉を初めとする自民党執行部は、郵政民営化法案を前面に押し出し、あたかもそれ「のみ」が今回の選挙の焦点であるかのように、多くの有権者に印象付けた。無論世論調査を見ると、必ずしも郵政改革のみに関心があるわけではないということはうかがえた。しかし、郵政改革に賛成か反対かと問題を極度に単純化して繰り返し訴え、「刺客」と呼ばれた対立候補の擁立などで話題づくりを欠かさなかった自民党執行部のマスコミ対策に、民主党も郵政反対派も、そして有権者もしてやられてしまったようである。これで小泉内閣が勢いづくことは間違いなく、まったく誰かが描いたシナリオどおりに事が動いているかの如く感じられる。小泉の郵政民営化のこだわりについて、彼を「信念の人」と見なす人もいるようだが、単なる政治的ポーズと信念とを取り違えてはなるまい。また「刺客」「小泉劇場」などと称するマスコミの低レベルぶりは、見るにつけても情けなくなる。

賛成か反対か、白か黒かを迫るそのやり方は形而上学的であり、非弁証法的であるが、マスコミを利用した情報操作によるその人心掌握術は極めて弁証法的である。そして今回の結果は、有権者側にもマーク・ブレンドン氏(フィルポッツ『赤毛のレドメイン家』)がいかに多かったことか!ということの証左でもあろう。
posted by liger-one at 23:54| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月02日

『赤毛のレドメイン家』(イーデン・フィルポッツ、1922)

イギリスの作家・イーデン・フィルポッツによる長編推理小説。三浦つとむが紹介していたので名前だけは知っていたのだが、先日一気に読み切った。

■あらすじ
第一次大戦から数年後の世界。イギリス・ロンドン警視庁の警部マーク・ブレンドンは、休暇先のダートムアで奇妙な事件に巻き込まれる。貿易商社主の息子マイクル・ペンディーンが、妻ジェニーの三人の伯父の一人ロバート・レドメインに殺害されたというのだ。ブレンドンはロバートと先日話を交わしたばかりで、事件は容易に解決するものと思われたが、見つかるのは状況証拠ばかりで、なぜか被害者も容疑者も見つからない。やがて事件は未解決のままブレンドンはロンドンに戻り、ジェニーは伯父の一人ベンディゴの元に身を寄せるが、再びロバートが犯人と思われる事件が起き、ベンディゴもロバートも行方不明に。捜査は難航し、ブレンドンは二度目の失態を犯す。そしてさらに半年後、イタリア・コモ湖畔に住む伯父の一人アルバートの元へ身を寄せたジェニーの前に、再びロバートが・・・!? 三度ブレンドンはレドメイン事件に関わることになるが、アルバートの友人であるアメリカの老探偵ピーター・ガンズが彼の前に現れ、ガンズ指揮の元、事態は一挙に急展開を見せることに・・・。



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posted by liger-one at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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