2004年12月30日

日本語はどういう言語か:目次


日本語はどういう言語か(初版)1956(昭和31)年9月、講談社「ミリオンブックス」シリーズ(新書版)の一冊として出版された、『弁証法はどういう科学か』に並ぶロングセラーにして三浦つとむの代表的著作の一つ。この著作は吉本隆明氏の『言語にとって美とはなにか』(角川ソフィア文庫など)に影響を与えたとされ、講談社学術文庫版(後述)では吉本氏が解説を担当されている。

本書は「ミリオンブックス」シリーズの廃刊とともに一時期絶版となったが、1971(昭和45)年3月に初版の復刻版が季節社より出版され、さらに1976(昭和51)年6月には新訂版が講談社学術文庫の一冊として出版され、現在に至っている(ここでとりあげた目次は講談社学術文庫版に拠るものである)。また季節社版は、現在も「三浦つとむ文庫」シリーズの一冊として新装版が出版されており(1999年9月)、書店や同社のサイト等で手に入れることが可能である。

構造言語学や言語道具説などの言語理論は、言語の本質をよくとらえているだろうか。科学的な言語論の確立を意図して書かれた本書では、客体的表現の語と主体的表現の語という独自の視点から、言語の本質が説明される。そこでは、孤立語である中国語や屈折語とよばれる英語などにくらべて、膠着語に属する日本語が、どのような特徴や構造をもつかが、わかりやすく述べられている。日本語を理解するためには不可欠の書といってよい。
(講談社学術文庫版・カバー紹介文より)



まえがき

第一部 言語とはどういうものか
  第一章 絵画・映画・言語のありかたをくらべてみる
    1 絵画と言語との共通点
    2 作者の体験と鑑賞者の追体験
    3 モンタアジュ論は何を主張したか
  第二章 言語の特徴――その一、
         非言語的表現が伴っていること
    1 言語の「意味」とは何か
    2 言語表現の二重性
    3 辞書というものの性格
    4 言語道具説はどこがまちがっているか
    5 音韻およびリズムについて
  第三章 言語の特徴――その二、
         客体的表現と主体的表現が分離していること
    1 客体的表現をする語と主体的表現をする語がある
    2 時枝誠記氏の「風呂敷型統一形式」と「零記号」

第二部 日本語はどういう言語か
  第一章 日本語の特徴
    1 日本語は膠着語である
    2 日本語のヨコ組みはなぜ読みにくいか
    3 目玉「理論」の二つのまちがい
  第二章 日本語はどう研究されてきたか
    1 明治までの日本語の研究
    2 明治以後の日本語の研究
    3 時枝誠記氏の「言語過程説」
  第三章 日本語の文法構造――その一、
         客体的表現にはどんな語が使われているか
    1 <名詞>のいろいろ
      a 対象のありかたとそのとられかた
      b <抽象名詞>あるいは<形式名詞>
    2 <代名詞>の認識構造
      a <代名詞>における話し手の観念的な自己分裂
      b フランス人は「そこつ長屋」を実演する
      c <代名詞>をめぐる諸問題
    3 <動詞>と<形容詞>、その交互関係
      a 活用ということについて
      b <抽象動詞>あるいは<形式動詞>
      c 「ある」と「いる」の使いわけ
      d <抽象動詞>の特殊な使いかた
      e <動詞>と<形容詞>との関係
      f <動詞>の<接尾語>
    4 <形容動詞>の正体
    5 <副詞>と<陳述副詞>
      a <副詞>の性格について
      b <情態副詞>と<程度副詞>
      c <陳述副詞>と陳述表現の呼応
  第四章 日本語の文法構造――その二、
         主体的表現にはどのような語が使われているか
    1 <助詞>のいろいろ
      a <助詞>の性格
      b <助詞>「が」と「は」の使い分け――その一、これまでの説明の問題点
      c <助詞>「が」と「は」の使い分け――その二、私の説明
      d <格助詞>とその使い方
      e <副助詞>と<係助詞>について
      f  <接続助詞>と<終助詞>について
    2 <助動詞>の役割
      a <助動詞>の認識構造
      b 時の表現と現実の時間とのくいちがいの問題
      c <助動詞>のいろいろ
    3 感動詞・応答詞・接続詞
  第五章 日本語の文法構造――その三、
         語と文と文章との関係
    1 語と句と文との関係
    2 文章における作者の立場の移行
    3 文章といわれるものの本質
    4 文章に見られる特殊な表現構造
  第六章 言語と社会
    1 言語の社会性
    2 日本語改革の問題
    3 文法教育と言語理論

解説(吉本隆明)
posted by liger-one at 14:27| Comment(0) | TrackBack(1) | The Tsutomu Miura Archives | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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客体的表現と主体的表現(2)――言語の基本構造
Excerpt: 私はかつて「表現することは精神のうちにある認識活動を現実的に外化(対象化)することであり、表現の本質は自己の認識活動を表現物という形で現実的・物質的に対象化し、この対・・・
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